真・闇夜に咲く花【完】
今日の平和や好きが永遠に続くことは無いのだから、あなたも今日という1日を大切に。
真・闇夜に咲く花#20
第20話【夢をかける少年】
4/30
追木勤夢が目を覚ますとそこには日常が広がっていた。
日記には、“今の当たり前がずっと続くことは無い。1日1日を大切に過ごそう。”と、書いた。
朝食を食べたら、支度をして学校に向かおう。
「おはよう。」
今日もあの子の声がする。
「おはよう。」
さぁ、今日も1日が始まる。
今日の平和や好きが永遠に続くことは無いのだから、あなたも今日という1日を大切に。
真・闇夜に咲く花#19
第19話【平和な世界】
4/30
世界が平和に戻った後、テレビのニュースではまるで、もともと居なっかったかのようにガルスのニュースはやらなくなった。
久しぶりにあの頃の通学路を歩いていると墓地で烈斗さんを見つけた。
彼は雨の中傘もささず、一人で墓の前にたって居た。烈斗さんはこちらに気付くと私を手招きした。
「最後にこいつを飛ばそうと思ってな。」
手には100点の答案用紙で作られた紙ヒコーキがあった。
「これはあの子に手伝ってもらった俺の人生の中で最初で最後の100点のテストだ。」
彼は紙ヒコーキを持った手を地面と水平に後ろに引くと、その手をまるで風を切るように勢い良く前に押し出した。
彼の飛ばした紙ヒコーキは雨を切りながら、まるで僕らを明日へと導くようにゆっくりと、ふわふわと消えて行った。
「また、今度な。紙ヒコーキ。」
真・闇夜に咲く花#18
第18話【敵のアジトにて】
4/22
私達は警官を投げ飛ばし、かと言ってもガルスが憑いてると知っているので抵抗はあまりないのだが、全身タイツで国会内へ入った。警官が無線を使い、「全身タイツの4人組が」と言っているのが聞こえる。
「さぁ、まずは左の衆議院側だ。」
私達は警官を倒しながら、左側へ歩みを進める。そこにはガルスの生みの親バーバラ・ガルスが居た。そう、いきなりだ。
私達はまず彼と話をしようとした。
「おい、もうガルスを作るのは辞めるんだ。」
烈斗は吠えるライオンをなだめるように言う。
「俺たちだってお前は殺したくない。」
「おマエタチはワタシの気持ちを全くわかってない。私はただリヨウされただけなんだ。政府に囚われたシンユウを救うタメに。」
ガルスが泣きはじめる。
「どういうことだ。」
「私はトモダチがもっと欲しかったんだ。それで人間の善のエネルギーだけで作られるニンゲンを作ろうとした。それに気付いた政府は人間の数を減らすのにチョウドいいと私に負のエネルギーだけで作られる人を作れと言った。当然私はコトワった。でもシンユウを連れて行かれ、作らないと返さないと言われた。それで、作ったら私のナマエを付けられ、私は世界中の人々に批判されて、もう、散々だ。こんな世界壊してやろうと思ったんだ。セイフの人間も殺して私も死のうって…。」
「だからって量産すること無いだろ。」
「うるさい。うるさいうるさいうるさい!!おマエタチは、私の、気持ちを、ゼンゼンわかってない!!」
その瞬間ガルスは黒い煙に包まれゴリラと死神を合わせたような姿になった。ガルス自身がガルスになったのだ。
だけど、それは再び煙に包まれそのまま消えた。
「消えた。終わったのか。こんなにアッサリと」
彼は自分の力には膨大すぎるパワーを手に入れ、死んだ。そしてずっと降りつずけていた雨は一時的に止み、世界に光りをもたらした。
その日の空は綺麗だった。
真・闇夜に咲く花#16
第16話【明日の為に】
4/22
私達は変身して車に乗り込んだ。何処に向かうか?そんな事は決まっている。“国会議事”いや、敵のアジトだ。私達の持っている情報だと敵は国会にいる。
「その情報あってんのか。」
ブルーの声がする。彼はホステスをしていて、本名は「小嵐勇吾」という。今日はバットフォンで烈斗に呼ばれ抜けて来たらしい。
「あぁ、情報は正確だ。」
「またあれか。情報“は”か。」
「烈斗早めに終わらしてよね。この全身タイツ、女子には抵抗あるんだから。」
「あぁ、わかってる。」
「烈斗さん作戦は?」
ここまで来ているのに作戦を聞かされていなかったのだ。
「作戦は無い!」
「・・・・」
「「「はあ?」」」
真・闇夜に咲く花#15
第15話【朝飯】
4/22
外には雨が降り、水を弾きながら走るタイヤの音が聴こえ、鳥のさえずりが聴こえる。いつもと何も変わらない朝だった。
「さぁ、朝飯だ。」
烈斗さん達の家という以外は。
「今日は乗り込むぞ。」
「おはようございます。」
私は目をこすりながら言う。机には紙ヒコーキが置かれていた。
「あぁ、おはよう。」
「あなたが4号ね。」
イエローの…誰だっけ。
「私はイエローをやっている、3号の三日月紀伊よ。よろしく。」
「こちらこそお願いします 。」
綺麗な、でも、クールな雰囲気の人だ。
「騙されんなよ。」
烈斗さんの声だ。
「それでもこいつはこの団の中で一番の力持ちだ。」
ブルーは仕事で部屋には居なっかた。
ブルーはいないまま静かな朝が始まろうとしていた。
「さぁ、行くぞ。」