少年と魔法のロボット2nd
まえがき
この話は前回書いた少年と魔法のロボットのつづきではありますが、そのため、他作品のMVと違う所が出てきますが、ご了承ください。
【恋愛マニュアル→感情泥棒】#1
グミに僕の誕生日を祝ってもらってから一晩経った。
そんな時、このご時世に伝書鳩で一通の手紙が届いた。
手紙の内容はこうだった。
「キラキラ光る宝石を頂きます。怪盗テイラー」
怪盗テイラー。そんな名前は聞いたことが無かった。
キラキラ光る宝石。おそらくグミの事だろう。
とにかく彼女を、グミを守らないといけない。そう、思った。
(%)
あの日、あの時、僕がこの本を手に入れていなかったら。最近はそんなことばかり考えてしまう。
{恋愛マニュアル}とだけ書かれた不思議な装丁の本。遊び紙をめくるとそこには、「この本に書いてある通りに行動すれば、叶わない恋はない。」と綴られている。
数年前。偶然立ち寄った書店で、興味本位で買ったものだ。
興味本位と言っても、「もしかしたら」と、いう気持ちはあった為、家に向かういつも通りの道を、マニュアルと、その時好きだったあの人を思い浮かべながら自転車を走らせた。
今の僕なら、こんな本は買わないだろう。
マニュアル通りに行動して、恋を実らせたい相手もマニュアル通りに行動して、こんな仮初めの恋なんかじゃ、僕の心は満たされない。
そう、彼女に気づかされたんだ。