ゆうたクラブ日記

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とけるまでの1週間#2

第2部


 あれから数日後。魔法で男の子の命が天国へ行く前の日

2人は雪だるまを作りました。それは楽しい楽しい時間でした。

雪だるまに使う手袋は、2人の付けていた手袋を片方ずつ使いました。


空は暗くなり、2人は家に帰りました。

男の子は家に着くとその瞬間ある“記憶”が蘇りました。1週間後の女の子の誕生日です。

しかし、男の子は明日天国へ行ってしまいます。男の子は女の子に当てて手紙を書き始めました。

ーー手紙を書き終わると男の子は家を飛び出しました。

魔女の家に向かったのです。

しかし、男の子は魔女の家に着く前に雪だるまの所に行きました。

男の子の手袋の方に手紙を入れ、再び、男の子は魔女の家に向かいました。


魔女の家に着くと、男の子は必死に魔女に“命を伸ばしてくれ”と頼みました。しかし魔女は“かけた魔法は戻せない”と、言います。

それでも頼み続ける男の子に驚いた魔女は、男の子にもう2つ目の魔法をかけました。


次の日、男の子の命は魔女の説明どおり、あの雪だるまに宿りました。雪だるまがとけるまでが、男の子の命です。

男の子は少しずつ溶けながらもがんばって、踏ん張って、女の子の家に向かいました。

雪だるまになっても動けたのは、男の子の起こした奇跡だったのでした。

完全に雪だるまがとけるまでの1週間。その、1週間かけて男の子は女の子の家の前に着きました。

しかし、女の子は男の子が天国へ行ってしまったショックで家から出れません。


 あれからしばらくたって、久しぶりに女の子は外に出ました。

女の子は外に落ちている2つの手袋に気づきました。

女の子のと、男の子のと。

男の子の方にしわくちゃな2つ折りの紙が入っていました。

それは男の子からの手紙でした。

「お誕生日おめでとう。そして、ありがとう。僕は君の事が大好きだった。」

それを読んだ女の子は泣いて、泣いて、泣きました。


続く。