真・闇夜に咲く花#7
第6α話【落ちる記者B】
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私はブラクスの取材のため汽車に乗っていた。汽車の中は静かで隣の席に座るおばさんたちの声だけが聞こえる。
昨日は散々だった。私の妻が死んだのだ。あのガルスに。あいつを産んだ、ガルスって奴を殺してやる。
「そこのお兄さんどこ行くの?」
そこで、おばさんにそう聞かれ私は我に帰る。
「ちょっと諸事情でブラクスまで…。」
私はそこでお婆さんたちの表情が一瞬変化するのを捉える。
「ブラクスでは夜中に外にでないようにね。」
「そうですか。」
実家に居る母さんみたいなことを言ってくるもんだなぁ。と、私は思った。駅に着く直前だった。そこの駅は、橋の上にあってかなり車両が揺れていた。そこで、おばさんたちの顔色が変わった。まるで死んでしまうような顔色だった。
「ま、窓…から。」
なんですか?と言い私はおばさんの指差す方を見る。
黒い何かがいた。
それは橋を壊し、私たちを…。
第6話へ続く。