ゆうたクラブ日記

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【勝手に】少年と魔法のロボット#1【小説】

 「丘を越えて山を越えて谷を越えてゆくんだ♪」小さな赤レンガの家の小さな自分の部屋の中、少年トオルは小さな声で歌います。それでも耳の良い父親にはトオルの歌が聴こえたようで、部屋に怒りに来ました。

「何度言ったらわかるんだ。家の中で歌うなと言ったろ。耳障りだ。」

「で、でもお父さん。今度のは自信作なんだ。ドレミファロンドって言って、お父さんも気に入ると思うよ。」

「うるさい!歌うなったら、歌うな!」父親はドアを大きな音を立てて閉め、自分の部屋に戻って行ってしまいました。

「外で歌えるわけ無いじゃ無いか。歌ったら笑われるかもしれないし、お父さんは歌うと怒るし。」しかし、トオルは歌うことは大好きでした。

 時計台のあるこの街では毎年秋の夜に時計台の完成記念日を祝って「新祭」が行われ、主に音楽発表会が行われます。今年はトオルの父親が審査委員長です。トオルはこの日のために歌を作ります。