2013-10-19 バットレンジャー 小説 第1話・烈斗(レット) 「お父さん!お母さん!」 少年が泣き叫ぶ。 烈斗が夏が嫌いな物となり、ヒーローになろうと、決めた日だった。 仲間たちはなぜ夏が嫌いなのか、なぜ烈斗がヒーローになったかしらない。 聞かれても、「嫌いだから」「なったから」としか答えない。 夏も<暑い夏>と<寒い夏>がある。 今日は<寒い夏>なのだろう。 烈斗がまた、「あの日みたいだ」といいながら怪人が出ても 家から出ようとしない。いつもと同じように泣いている。 烈斗の心は土砂のように崩れていた。